葬儀屋のひとりごと2

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人は誕生と共に、家族の愛に育まれて成長し、あるいは家族を作り、社会生活を営みます。

しかし、生あるところには必ず死があります。

 

これは、葬祭ディレクター試験の参考書ともいえる「葬儀概論」の冒頭の文章です。

 

人が死ぬという事はどういう事なのか、

そしてどんな命も重いという事。

 

そして自分自身も「死すべき者」とあり、

その違いは「先に行く者」と「後に行く者」違いで

私たちは「葬儀」という場面に立ち会い、「命」について学ばせて頂いているという事。

 

そして故人の生きざまに思いをいたし、

「故人の遺体」「故人に寄せる家族の心」を大切にし、故人の「尊厳」を守る事を第一として葬儀を丁重に執り行う責務があるという事が書かれています。

 

この本には「葬儀の歴史」「葬儀の実際」「宗教儀礼」など様々な事が書かれていますが、

私は、この冒頭の部分が一番大事な事だと思っています。

 

人は誕生と共に、家族の愛に育まれて成長し…

誰しもが、この誕生の瞬間があり、多くの人にお祝いされて成長していきます。

 

生まれる前にお母さんは、妊娠五ヶ月目最初の戌の日に安産を願って

お腹に帯を巻いて祈願する。

 

「帯祝い」

 

生まれて七日目には産後の無事成長を祝って

 

「お七夜」

 

一ヶ月目には神様にご報告し、無事な成長を祈る

 

「お宮参り」

 

「百日(ももか)の祝い」この百日目はお米を一粒、口に入れてお祝いをし、歯固め石を用意して健康な歯を授かるように願う。

 

「お食い初め」

 

「初正月」には魔除けとして

破魔弓、羽子板を

「初節句」には

「魔除け」の「鎧、兜」や病気や災いを身代ってくれる「おひな様」を

おじいちゃん、おばあちゃんに送ってもらって無病息災をお祈りしたり

 

初めての誕生日は一升のお持ちを背負ってよちよち歩き

「一生まあるく」「このこが一生食べ物に困ることがありませんように…」と願う

 

「初誕生(はつたじょう)」

 

生まれる前から始まり、生まれてからもこれだけの子供の行事があり

その誕生や無事を祝い

幸せを願い

健康でいられるように

たくさんの愛情を貰って成長していくんですよね。

 

90歳、100歳とお歳を重ねて、こうして私がお世話をしているこの方も

同じように、愛情をうけて今、その人生の幕を下ろされようとしています。

 

だからこそ、私たちはその「尊厳を守り」この方の遺していく家族の心を大切にしなければなりません。

加えて、先にこの世を去られたであろう、この方の幸せを願ったお父様、お母様を思い

お見送りをさせて頂きます。

 

今の時代、こうした生まれた時の行事を全て行う家庭は減ったとは思いますし、

一つ一つの行事の作法や意味などは知っている方もほとんどいなくなってしまったかもしれません。

 

また地域によっても違うという事もありますし、仏教や神道なども混在していて正確に伝承されていくのは難しいのかもしれません。

 

でも、こういう行事がいまだに続いているのは事実です。

起源をたどればそれはきっと「親心」です。

 

その心があれば

やりかたが違おうが宗教を違えていようが、意味が解っていなかろうがそれはきっと意味のある事です。

 

大切なのは「気持ち」だと私は思っています。

 

結婚式に「仏教」「神道」「キリスト教」を気にしている日本の人は少ないです。

「教会式をあげたい」という人に「あなた達は仏教徒でしょ」という人もあまりいません。

それでいいのだと思います。

 

子供が生まれた時、その子の幸せを願い、共に年齢を重ねて最後はその子に見送られる。

それは、自然なことです。

残される側が悲しい気持ちになってしまうのも仕方がないことです。

 

今の高齢化社会ではお年寄りが長生きです。

90歳、100歳と生き、米寿、卒寿、白寿、紀寿とお祝いが続き

本当に素晴らしいことです。

 

ただ、こうして長寿の方が増える時代のせいなのか、私が出会ってしまうのか…

先に娘様、息子様の寿命が尽きてしまった…

そんな葬儀が珍しくありません。

そんな時のお母様、お父様の気持ちを思うと…

胸をかきむしられるような気持ちになります。

 

ひとりごとにお付き合い頂きありがとうございました。

 

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