葬儀屋の不思議な体験談

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葬儀屋の不思議な体験といえば「怖い話」を想像されるでしょうか。

今回、お話することは特に「怖い話」ではありません。怖くするつもりもありません。

ですが、ちょっと不思議なお話です…。

 

私は以前「納棺師」として働いていました。

納棺師とは、葬儀社から依頼を受けて、ご遺体を処置し、浴槽を使ってお体を綺麗にします。その後、お着せ替えとメイク(死化粧)をして綺麗に納棺をするお仕事です。

全く葬儀業界の事を知らず飛び込んだ世界でしたので、毎日が驚く事の連続でした。そして、ご飯がまったく美味しくない期間が1ヶ月ぐらい続いたのを、今でも覚えています。

そんな精神状態だったせいか、仕事中に変な気配を感じる事が多かったのです…。

湯灌を終えて浴槽を片付けている時などの一人で作業をしている時に気配を感じることが多かったです。

気配だけではなく、人影を見ることもありました。

 

その時は本当に怖かったのですが、納棺師の仕事はお客様にとても喜んでいただける仕事だったので次第に誇りを持てるようになりました。

 

遺族が見守る中、故人様の髪を優しく洗い流したり、手を取って爪をお切りしたり。

その時間はとても静かで、シャワーの湯気が立ち上り、少し神聖な空気感があります。

 

そんな中にいながら仕事をしていると私も優しい気持ちになれました。

時にはお子様を湯灌することもあり、そんな時は本当に辛い気持ちになりました。

納棺師をしている時代は私もまだ若かったのですが、こういう時は父親の気持ちになりました。

 

そうやって、経験をして少し慣れてきたころ。あるご夫婦のお家に納棺師として伺いました。

とても仲の良いご夫婦だったそうですが、旦那様が亡くなられたのです。

 

「これより、湯灌・納棺の儀式を始めさせて頂きます。」

 

湯灌の儀式が始まると、奥様が泣き崩れました。お子様方が支えないと、その場にいれないほどです。

 

「おじいちゃん、おじいちゃん!」

 

何度も何度も呼びかけます。その姿に家族はもちろん、湯灌をしている私も涙が溢れました。

 

そんな時、湯灌をしている私を突き抜けて旦那様が起き上がってきたのです。

そのまま、奥様のそばに中腰の姿で寄り添い、頭を撫でていました。

「よし…よし…」そんな風に見えました。

 

そのうちに姿は消えてしまいましたが、その間、私の手は止まってしまいました…。

その場を凝視してしまいました。一緒に湯灌をしていた女性に手を叩かれて我に帰りましたが、私にはその光景が見えていたのです。

 

そんな光景を見たのは、その時限りですし、私も若かった頃のだいぶ昔の話です。今思うと幻のような、そんな気もしてしまいますが…。

でも、私が見たあの光景は、今でも忘れられないのです。

 

こういった不思議なことは、確かにあるのです。

その後、私は葬儀屋に転職してだいぶ経ちますが、今でも、

「葬儀屋さん!昨日、おばあちゃんが来たのよ!」

とか

「このあいだ、母が階段に座って笑っていたんです」

など、亡くなった方が現れたとお客様からお話を聞くことがあります。

聞くと時計が倒れたとか湯呑が動いたとか、色々です。

 

あと、もう一つ。それらの事は「49日が経って止まった」ということもよく耳にします。

 

私自身も、祖父の葬儀の前夜、納棺の日でした。幼かった私は家で姉とお留守番をしていました。

二人で少し心細かったのですが「ピンポーン」と玄関のインターホンがなったのです。

二人で玄関に行ったのですが誰もおらず。不思議に思っていると、今度は逆に居間の方から「おーい」と祖父の声が聞こえたのです。

しかし、そこには誰もいなかったのです。

 

納棺の時の口上で、

「故人様はこれより49日という長く険しい旅をなされます。高い山、険しい谷を越え、三途の川を渡るといわれます。」

などというのですが、この期間は俗に、現世にいらっしゃる期間といわれています。

その旅の支度を整えて旅の前に祖父は会いに来てくれたのかもしれません。

 

49日は旅をしないといわれる宗派もありますし、宗教によっては49日ではないこともあります。

私は、どの宗教を信じているということもないのですが「亡くなってしばらくはこの世にとどまっていらっしゃるのかもしれない」と思うのです。

誰しもがこういう不思議な経験をするわけではないと思いますが、遺族の気持ちが何かと反応した時にこういう不思議で温かい奇跡を起こすのかもしれませんね。

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